12/10(土) 第3回星野ゼミ「静岡から考える ーー アート、パフォーマンス、コレオグラフィ」

星野ゼミ

七間町ダイアログ Vol.5
3回連続ワークショップ (星野ゼミ)第3回(最終回)
「静岡から考える ーー アート、パフォーマンス、コレオグラフィ」
 第3回:集団のコレオグラフィ
講師:星野太(美学/表象文化論)
日時:12月10日(土)19時〜
場所:スノドカフェ七間町
   静岡県静岡市葵区七間町7−8
参加費:3,000円(税込、1ドリンク付)
    (学割 2,000円)


【 ワークショップ内容 】
第3回:集団のコレオグラフィ
 ・課題発表「自分と他人のあいだに存在する『振付』を考えてみる」
 ・静岡という場から、アート、パフォーマンス、コレオグラフィを考える
 ・補足とまとめ

[ 打ち上げのお知らせ ]
星野ゼミ懇親会(鍋会)
時間:WS終了後
料金:2,000円(飲食オールフリー)


<ご予約・お問い合せ>
スノドカフェ七間町
電話:054-260-6173(受付時間 11:00~21:00)
メール:お問い合せフォーム



[ はじめに ]

美術と演劇、身体と社会の交差をパフォーマンスという視点で考えていく3回連続ワークショップを開催しています。(第1回、2回目は終了)

静岡はパフォーミングアーツに関していえば、ユニークな土地柄です。大道芸フェスティバルが市民主体で25年前に始まり、今や開催期間4日間で150万人を動員するに至りました。また静岡県は全国で他にないレジデンシャルカンパニー(専用劇場付き劇団)「SPAC-静岡県舞台芸術センター」を所有します。この公共劇団は創設から19年が経ち、アヴィニョン演劇祭の公式プログラムへの参加など国内外で高い評価を受けています。他方には市民劇団も多く、定期公演を繰り返すなど堅実な活動を続けています。近年のダンスブームは静岡でも見受けられ、コミュニティーダンスの分野では、市民ダンサーがプロダンサーに振り付けを依頼するなど、本格的な舞台にチャレンジしている例もあります。

公共と民間、路上と劇場。こうした対立はありますが、静岡ではそれらが少しずつ融合しているように見えます。今、静岡でパフォーミングアーツを通して、現代社会や地域のつながり、あるいは私たちの身体を考えてみるのは、一定の意義、実りがあるのではないでしょうか。こうした動機から、今回の連続ワークショップを開催してみることにしました。講師は注目の若手美学研究者星野太さん。WSは講義とディスカッションで構成します。より対話に重点を置いて進めていきます。

アートと社会のありさまを、今、静岡から考えてみませんか。
みなさまの参加をお待ちしています。

オルタナティブスペース・スノドカフェ代表 柚木康裕

【 講師プロフィール 】
星野 太(ほしの・ふとし)
1983年生まれ。博士(学術)。美学/表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、金沢美術工芸大学講師。編著にThe Sublime and the Uncanny(UTCP, 2016)、共著に『キュレーションの現在』(フィルムアート社、2015年)、『コンテンポラリー・アート・セオリー』(イオスアートブックス、2013年)、共訳書にカンタン・メイヤスー『有限性の後で』(人文書院、2016年)など。

[ WS開催について講師よりひとこと ]

星野と申します。このたび、オルタナティブスペース・スノドカフェの柚木さんにお声がけをいただき、静岡で全3回のWSを行なうことになりました。

このWSは、近年わたしが関心を寄せている「アート」と「パフォーマンス」の交差という問題意識から出発しています。遡れば「美術」と「演劇」という自律的なジャンルに分かたれていた両者が、ここ20年ほど、複数の理由から奇妙な交差を見せています。第1回目のWSでは、この両者を結びつける「身体」という存在のあり方について、あらためて考えてみたいと思います。

それを受けて、第2回目、第3回目のWSでは「コレオグラフィ(振付)」の可能性について、参加者の皆さんとともに、より深く考えてみたいと思います。この言葉は、バレエやモダンダンスにおける「型」を第一に連想させるものですが、ここではそれをもう少し大きく捉えてみたい。そもそも、私たちの肉体や共同体(いずれもbodyです)を考えてみたとき、それらは多かれ少なかれ何ものかに「振り付けられて」いるのではないでしょうか。

以上のような、いささか抽象的な思考実験を、すでにパフォーミングアーツの土壌がある静岡の皆さんと行っていくのがこのWSの目的です。ご参加をお待ちしています。


[ 第2回レビュー ]

hoshino02_01_500.jpg

『悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ』ウィリアム・ジェームズ

星野さんはウィリアム・ジェームズのこの言葉を引き合いに出し、ご自身の経験を語った。コンテンポラリーダンスをプロダンサーに習うようになって、文章を書くスピードが速くなったという。それはご自身も意識できない超自我の変化があったのではという分析を試みている。体を動かしたことにより、何からの感覚が開いたような感じを受けているということ。行為から感情が立ち上がるというこのウィリアムの教えを実践したかたちだろう。

余談だが、この考え方は特別新しいものでも珍しいものでもなく、日本人なら割と馴染みやすい考えではなかろうか。日本の武道や華道、茶道などの「型」とはまさに感情を生み出すものとしての徹底的な行為のことだろう。健全な肉体に健全な精神が宿るということは腑に落ちることではなかろうか。

第2回目のWSは「自己のコレオグラフィ」として、ダンス(振付)をダンス固有の問題ではなく、一般生活に広げて考えていった。自己の振付とは、社会的な場面での意識的所作をいう。職業柄ルーティン化しているムーブメント(所作)や社会生活を潤滑にするムーブメントなどである。

星野さんご自身のダンスパフォーマンス映像を見せながら、そのムーブメントがどのように抽象化されて、このような振付になったのかを説明。注意点として「パントマイム」にならないことを指摘された。真似ではなく、抽象化、形式化することによって、見えてくるものが大切であるということだ。

「型」と「振り」の違いも話題になった。「型」はモダンダンスやバレーにみられ、コンテンポラリーダンスは「振り(あいまいな振付)」であろうということ。コレオグラファーが「1mm浮いて」と指示することがあるということだが、その時に必要なのは、1mmの正確さではなく、身体的な1mmの感覚を覚えるということだろう。行為から感情を立ち上げる。それが表現(クリエーション)と呼ばれるものになる。

星野さんの最新の論考「現代美術の『パフォーマンス的転回』(1) ーー 『社会的転回』の時代の芸術作品」での現代美術とポストドラマ演劇の作品が接近していることに触れている。「パフォーマンス」という共通項がはっきりと見られるが、その批評や研究はまだまだ多くの可能性があるということ。星野さんは、そのためにも「行為(振付)」を分析することが必要だと述べいてる。今回のWSもベースにはこのような問題意識があることが理解できる。

最終回の3回目は「集団のコレオグラフィ」を考えていきます。社会生活の中で、思わず人に振り付けてしまったこと。振り付けられたことがあるはずです。例えば、前から歩いて来た人と何度も同じ方向へ避けてしまったことは、誰にでも身に覚えがあるでしょう。そのような「自分と他人のあいだに存在する『振付』」を持ち寄り、皆で集団における振付を考えていきます。

3回目の参考図書として以下を勧められました。
『介護するからだ』細馬宏通(医学書院、2016年)
『老人ホームで生まれた<とつとつダンス>』砂連尾理(晶文社、2016年)

WS終了後は懇親会を開催します。鍋をつつきながら「振付」の四方山話に花を咲かせたいと思います。こちらもお楽しみに。

それではまたスノドカフェ七間町でお待ちしております。

柚木(スノドカフェ)


<ご予約・お問い合せ>
スノドカフェ七間町
電話:054-260-6173(受付時間 11:00~21:00)
メール:お問い合せフォーム

アーカイブ

オルタナティブスペース・スノドカフェ

「共有する」をテーマに、アート・デザイン・音楽・フード・ファッション・エコなどを通して幅広くコミュニケーションできるサロン的スペースです。

■ カフェ営業 11:30 ~ 18:30
(定休日 火・水)
■ 夜は貸切営業となります。

【住所】
静岡県静岡市清水区上原1-7-3
リサイクルブティック・スノードール2F
【電話】054-346-7669
ご予約・お問い合わせもこちらまで。
【メール】
infoアットマークsndcafe.net
(メールでも承ります)